悩み多き30代
少し色々考えることがあり、ブログ更新もランダムの様相を呈してきました。
◆30代って悩み多くないですか?
20代のうちに悩み解決してしまった人、先の年代になるまで目を向けない人、そもそも悩むまでもなく順調な人と色々いるでしょうけど、なんか人生の岐路って感じがしませんか?
身体は衰えているのに謎の充実感
身体機能は20代からもうすでに下降線です。
食事や運動の気遣いにより下降線の勾配には個人差はあれども、生態的特徴としては間違いなく下降線をたどる30代。
しかし、社会の中ではまだまだ若いほうだという見方をされて、またある程度のスキルや動作のコツを備えた分そつなく物事をこなしていると、ちょっとした充実感というか、我々世代がいなければダメでしょって気分にもされます。
ただ着実に気になる崩れていく体型。
早い人は髪の毛の減少。
私はどちらもすごく体感しております。
将来のお金の件
我々世代の老後は年金をもらえない。
そう語られ始めてもはやそんなことは当然という気持ちにすらなってきます。
一応日本の年金制度上はマクロ経済スライドというシステムをとっていますので、なくなるというよりは圧倒的に少なくなるだろうという予想はつきます。
いろんな書籍にも書かれているように賦課方式をとる日本の年金制度はいずれ崩壊するという懸念も間違いなくあります。
よって個人で対策を講じる必要がある私たちは、貯蓄と投資によってその資金を確保していかないといけません。
そんな将来のお金にも不安を抱える年代でもあります。
精神的佳境の子育て
子供も成長の段階によって親がぶち当たる壁は変化すると思います。
現在我が家の子供は小学生と幼稚園。
経済的な苦労はまだ少し先で、体力的な苦労は過ぎたところという感じ。
今、もっとも気を付けるべきは子供との距離感じゃないかと思っています。
自我も芽生えてそれぞれが自己主張し始める年代に突入しました。
主な生活コミュニティが家庭から学校や友人間に移っていくところでもあり、親の目の届いてない場所での問題を家に持ち込んでくることもあります。
子育ても勢いで対処できる段階ではないのが多くの30代かと思います。
キャリアについて
順調な人は順調に階段を上っているでしょう。中間管理職に掛かっている人もいる年代です。
ただ自分のキャリアやこれからも同じ場所で生きていくかどうかを悩み決断する年代でもあるんじゃないかと思います。
動くなら今だし、踏ん張るのも今。
私自身はサラリーマンという立場ではありませんが、やはり同じように現状のままでいいのか、動くべきか踏ん張るべきか、非常に悩む毎日を送っています。
ブログを再考する
自分の武器を持つ、身を守るためのFP試験の受験という目的をもって、勉強の記録と復習を兼ねたブログとしてやっていこうと考えていました。
しかし、FPにしても簿記にしても、それらを受験するための動機となった根本的な部分は、30代、もう後半ではありますけど、悩み多き年代に発生した様々な悩みを自分なりに解決しようという気持ちでした。
なので、30代で発生した悩みへの自分なりの対処や行動についての記録にブログを作り変えて行こうと思いました。
誰に発するでもなく、まず自分の行動への後押しとして少しずつでも積み上げていきます。
クリスマスの葛藤
次回の3級FP技能士試験は2022年1月23日です。
1か月を切った現在の勉強の進み具合は、ここ数日少しペースが落ちて順調とは言えない状況です。
ただ、試験に合格するという目線で語れば、とりあえず間に合いそうな進み具合です。
そんなわけでもちろん我が家にもクリスマスというイベントはやってきます。
◆サンタクロースを何歳まで信じるか
◆プレゼントは要望通りが正しいか
サンタクロースはいつまでいる?
サンタクロースがプレゼントを持ってきてくれると子供が信じているのはいつまでかと、ふと小学1年生になった長女をみて考えた。
大方、学校の友達の誰かが真実に気づき「実は・・・」っていう話から広まって、ゆくゆくは真相を知ることが多いだろうと思う。自分もそうだったように思う。
記憶では寝たふりをして自分で確かめたという、あるあるな真相究明だったはず。
昨夜は「サンタさんのために」とお菓子とコーヒーを用意していた。昨年くらいから始まったこの気遣い。
そして朝、目が覚めてツリーの下にあるプレゼントに気付いて、また食卓の上においておいたお菓子が無くなっていることに気付いて感嘆する。
だいぶと可愛い。
この可愛い反応をいつまでしてくれるのか。また気づいたとき、私たちにどういう反応をするようになるのか。
これも成長なので楽しみの一つ。
プレゼントは要望どおり渡しますか。
いろんな人から「子供のプレゼント何にする?」「何を欲しがっているの?」なんて前日くらいに質問を受けました。
子供たちは割とはっきり要望を口にしていたので、ある程度要望に沿ったプレゼントにしました。
要望に”沿った”というのは、結構高額な要望だったので、対応できる範囲内のグレードに下げはしたけどモノはソレみたいな感じ。
かっこよく言えば「あたらずとも遠からずといったところか」です。
今回、というか誕生日の時もそうでしたが、要望通りのプレゼントで良いものかどうか、です。
長女の要望はタブレット端末。
次女の要望はゲームソフト。
どちらも子供に与えるにあたっては賛否のあるものです。
私はなるべく可能な範囲で欲しいものは与えてあげたいと思っています。なので今回も与えられるグレードに下げはしたものの希望に沿ったプレゼントを選択しました。
ただ周りのプレゼントの件を聞いていると、複数の希望をとってデジタル機器は避けているという人もいました。
基本的に他人がこうしてるから自分もこうしないと、というような同調行動はとりたくないですが、デジタル機器の子供に及ぼす悪影響ももちろんわかっているわけです。
希望するからと言って少なからず悪影響のあるモノを与えていいものかどうか。
欲しがっているものを与えてるのは結局は自己満足じゃないのか。
そんな葛藤がクリスマスプレゼントにはありました。
最終的には子供の笑顔
クリスマス・イブの夜は謎の腹痛に悩まされ夕食も摂らずに9時に就寝しました。
せっかくのイブの夜に。。。と思いましたが、私が早く寝ていることを見た子供たちはもうしばらくサンタクロースの存在を信じてくれるんじゃないでしょうか。そういう意味では意味のある腹痛でした。
できれば長く可愛い反応が見ていたいですね。
プレゼントもやっぱり受け取った反応をみたら欲しいものを買って正解だったかなと思いました。
少なくとも”サンタクロースからのプレゼント”という体裁のうちは希望通りのモノで通そうと思います。あまりにも高額でなければ、ですが。
だた誕生日プレゼントは少し考え方を変えようかなと思いました。将来この子たちが働かずとも苦労せず生きていけるような家庭ならまだしも、分別わきまえて我慢を強いられることもある中流中の中流家庭で育つわけですから、ある程度のルール設定はやはり必要です。
さらに親としても与えたものをどう使わせるかという管理能力もちゃんと持っていないとと反省もできました。与えるだけで終わってはいけません。
クリスマスのような楽しいだけに思えるイベントにも悩みや葛藤が隠れてるもんです。
借地権と借家権
いくつかある不動産に関する法令のうち”借地借家法”における「借地権」と「借家権」についてポイントを押さえておきたいと思います。
◆「普通借地権」の最初の更新は20年以上経過後
◆「定期借地権」は契約の更新は無し
◆「事業用定期借地権」の契約は公正証書に限る
◆「普通借家権」の契約は1年以上から
◆「定期借家権」は契約終了前の一定期間に契約終了の通知義務がある
◆「定期借家権」の契約は書面によるものに限る
借地権も借家権も、土地や家を借りる権利を指します。それぞれ種類によって契約の存続期間や契約方法に違いがあります。数字を混同しないよう注意しましょう。
借地権
土地を借りる権利です。大きくは契約の更新がある「普通借地権」と更新がない「定期借地権」とに分類されます。
定期借地権はさらに「一般」、「事業用」、「建物譲渡特約付」の3つに分かれます。
”更新あり”普通借地権
賃貸契約が終了したあとも、借主が希望すれば契約が更新されるタイプの借地権です。
正当な理由なく貸主は契約更新を拒否できません。
つまり貸主になかなか土地が返ってこないということになります。
契約の存続期間、要するに契約期間として設定できる年数は30年以上。30年より短く設定された契約は無効です。
最初の契約更新は20年以上経過してから、2回目以降は10年以上で設定できます。
正当な理由を示せなかったら貸主に土地が返ってこない恐れがある。と、いうことで「定期借地権」があります。
”更新無し”定期借地権
定期借地権が設定された土地は賃貸契約終了後に契約の更新はありません。
契約終了すれば貸主に土地は返却されます。
定期借地権はさらに3つに分類されます。
①一般定期借地権
土地の利用目的に制限がない通常の定期借地権です。
書面での契約のみ認められています。
契約の存続期間は50年以上です。長いですね。
②事業用定期借地権
事業用の建物のみ建築できる建築制限があります。住居の建築はできません。
契約存続期間は10年以上、50年未満と唯一上限が設けてあります。
特徴として契約方法は公正証書に限られています。
公正証書とは、契約の成立や一定の事実等、一定の事項について、公証人が書証として作成し、 内容を証明する書類のことをいいます。公正証書の作成手続は、公証人法(明治1年法律第53号) という法律により、厳格に規定されています。
引用元:KEIYAKU-WATCH 公正証書とは?
③建物譲渡特約付借地権
契約期間が終了したら建築した建物付きで土地を返すという約束が付いた定期借地権です。
建物付きで返ってくるなんてラッキーじゃ~ん!
よく建物ある状態で貸し土地って看板立ってるところありますよね。居ぬき物件ていうやつですね。
ちなみに他の土地は原則更地での返却ですから物件付で貸し出している土地はこの借地権が設定されているのでしょう。
契約存続期間は30年以上で、契約方法や土地の利用に制限はありません。
普通借家権
貸主に正当な理由がない限り借主の希望により契約が更新される借家権です。貸主よりも借主の方が強い立場にあるといえますね。
アパートの契約なんかは基本こちらですね。だいたい2年で自動更新しますもんね。
契約の存続期間
契約存続期間は1年以上です。
ちなみに1年未満の契約の場合、期間の定めのない契約とみなされるそうです。
定期借家権
契約期間が終了すれば契約の更新はなく、契約終了になります。
契約方法は書面によるものに限ります。
契約の終了
契約期間が1年以上であった場合は契約終了の1年~6か月前までの間に借主に契約終了の旨を通知する義務があります。
まとめ
貸し土地に設定される借地権、賃貸物件の借家権は、契約期間終了後に契約更新のあるなしで普通借地権(借家権)、定期借地権(借家権)に大別されます。
普通借地権・借家権はどちらも貸主に正当な理由がない場合、借主が希望すれば契約を更新しなければなりません。つまり借主の方が強い立場にあると言えます。
定期借地権・借家権は契約期間が終了すれば更新はなく、契約終了で物件は貸主に返却されます。
定期借地権の中でも事業用定期借地権は契約方法が公正証書に限られており、他よりも厳格な契約であると言えます。
ポイントは契約の存続期限と更新(時期)、契約方法の制限です。
本日もお疲れさまでした。
FP技能検定は逃げの口実
以前に3級FP技能検定を受ける動機について書いたことがあります。
3級FPの他にも日商簿記検定3級と2級を数年前に独学で合格しました。
ちなみに私の仕事は金融系でも会計職でもありません。社内での役割は複数ありますが、6割くらいが営業職になります。
ただ私は営業という仕事が苦手で、成績も正直よくありません。
仕事がうまくいかないと、果たしてこの会社での自分の存在意義はあるのか。
また、この会社がもし万が一無くなってしまえば、他で生きていける能力が自分には何もないのではないか。
仕事でうまくいかなかったときに、こういうことが頭をめぐるわけです。
そして営業が苦手な私は仕事に正面から向き合うことを諦め、資格を取得して自己暗示をかけるという方向へ舵を切りました。
つまりFP技能検定と日商簿記検定は現実からの逃げの手段です。
自分に合う仕事、合わない仕事
今振り返れば前職にしても今の仕事にしても自分の性格に適している仕事とは思えません。
見る人が見れば努力を怠った結果だと見えると思います。
ただ気づいたことは、そもそも自分のことを理解できていなかったということです。
自分の性質を見極めて、それに沿った職探しやそのための努力をしてこなかったことには悔いています。
誰しも合う仕事、合わない仕事があるはずです。
流れのまま就職活動をした結果、自分にはどうしても合わない仕事についてしまった人はいると思います。
そんな自分の居場所とは思えない場所で、力任せにもがくよりも、自己暗示をかけて生きていく方法もあると思います。
私の場合の自己暗示は検定試験の合格という経歴です。
物理的に逃げる必要はない
他に宛もなく感情に任せて会社を辞めてしまう。
実際に現場から逃亡してしまうことはリスクが大きすぎます。
何より大切なのは生きていくことですし、家族を生かしていくことなので。
逃げることは悪いことではないですが、逃げ方には良し悪しがあると思います。
何か自分のアイデンティティを自分だけの自己暗示でもいいので、作り上げられるもの探してみる。
見つかれば仕事は少し力を抜いて、そちらへ注力してみる。
結局自分の人生なんでそれくらいの融通はきかせてもいいのかなって思いますね。
あくまで動機のひとつ
逃げの口実とはいいましたが、もちろん先のブログでも述べたように”お金の知識をつけて自分を守る”ために勉強をしていることにも間違いはありません。
動機は一つよりも複数で成り立っている方が挫折しにくいんじゃないかなとも思います。
何もかも抱え込んで暗く生きているよりは、すこしでも楽な方へ目線を移すために資格取得や検定試験を利用するのもいいのかなと思います。
今年見直した3つの支出
3級FP技能検定試験を受けると決めた今年ですが、自らのライフプランニングのため、支出の見直しにも着手しました。
3つのうち最大の効果を発揮しているのは”格安SIM”です。通話や通信に大きな支障もなく、費用は1/4~1/3程度まで縮小しました。
また2つの保険解約については我が家では現状不要であるとの判断から解約に至りましたが、年額でみると大きな改善となりました。
楽天モバイルとマイネオ
我が家のスマホが合計3台あります。
楽天モバイルで契約している私のスマホが1台、マイネオで契約している妻と子供(主に使用は長女)のスマホが1台ずつ計2台です。
ざっくりとした通信料です。
楽天モバイルは楽天Linkというアプリで通話すれば通話料は無料。通信料は使用容量で変わりますが毎月2,000円程度です。
マイネオは妻の契約は通信容量5GBと”かけ放題”のプランで2,600円程度、子供の契約は通信容量1GBと子供セーフティ機能付きで1,100円程度です。
大手キャリアで契約していたときは私も妻もそれぞれ月額1万円を超えていました。スマホ2台で2万円超だったのが、3台で6,000円弱です。
年額換算168,000円が浮いたことになります。
通話や通信の不安
乗り換え前はやはり通話や通信に不安がありました。
ただ乗り換え前に知り合いから実際に使っている感想を聞くことができたので、思い切って乗り換えました。
通話や通信で不便を感じることはありませんが、細かく品質を気にする人であればいくつかの点で不満を覚えるかもしれません。
まず楽天モバイル。市場では一番新参者であるため、現在目下、自前の回線エリア拡大中です。
私の体験から問題点をあげるなら、山や田舎での通話品質に問題ありです。ノイズが入って聞き取りにくかったりします。
しかし会話ができないこともないので、私は支障ありません。
次にマイネオ。通話に関しては楽天モバイルよりも使い勝手が良いと感じます。
通信は通信量が多い時間帯、例えば昼休みや夕方以降の通信速度が少し遅くなることがあります。ただこれも少し遅いかな?程度で、気になりません。
大手キャリアほどの快適さはないかもしれませんが、ストレスになるような要素もない、というのが結論です。
生命保険は必要か
生命保険をかける必要があるのは、金銭的に生活を支える人です。
その人の収入が途絶えてしまったら生活ができなくなる場合の保険です。
妻の生命保険には医療特約などもついておりますが掛け捨てで、月の保険料が9,000円程でした。掛け捨ての生命保険にこの金額は結構高いです。
特約としてついている医療保険に関しても、公的医療保険と貯蓄で医療費は賄えると判断して、すべて解約しました。
仮に妻の収入が生活を支えているなら解約はせず見直し、もしくは継続したかもしれませんが、我が家の状況からして保険金はなくても問題ありません。
衝撃。『ポジティブ・インパクト』
世の中にあまたいる成功者は、ゆるぎない地位を獲得して、想像を絶するお金を稼いでいます。
すべてをやりつくしてしまったような成功者が、なお望んでいることがあるそうです。
「もっと世界に貢献したい」
本日、私が知識ストックしておきたい本は
『まわりにいい影響をあたえる人がうまくいく』
です。
自分の影響力を意識するようになると、さらに自らを成長させるようになる。
自分の影響で周りの人が成功する姿を目の当たりにすれば、より良い影響を与えようと考えます。
すると自然と学び、自分のアップデートに力を注ぐようになり、結果成功につながっていくというロジックです。
ポジティブ・インパクトを与えるためにすべきこと、心構えから実際の具体的な行動に至るまでを解説していきます。
ポジティブは身に付けられる
”ポジティブな影響を周りに与えよう”なんていう著者はさぞかしポジティブな人なんでしょうねと思いますよね。
しかし著者自身、長年うつ病に苦しんでいたという過去を持っています。
ただ、うつ病と向き合い、治療と並行して思考や行動を変えていった結果、最初は意識的に行っていたポジティブな思考や行動も、いつしか人格の一部といえるほど自然に身についていったと語られています。
ポジティブは訓練で身に付けられる。
これは作者自身の体験談からいえることですね。
周りを成功へ導くために
周りの人をうまくいかせることが自分の成功につながるロジックはわかりました。
例えば特筆すべき能力のない私が周りを成功に導くためにできることはあるのか。
具体的な方法論に移ります。
ポジティブな影響を与えることを優先する
自分の仕事の目的って何でしょうか。商売をしていれば商品を売ることです。製造業であれば、その商品をつくることです。
アメリカのある大学病院の用務員を対象に、仕事の意識調査を行ったそうです。
用務員の主な仕事は病院の清掃など雑用なのですが、調査結果では患者さんとのコミュニケーションを通して心地よく医療を受けれるように、また医療スタッフの支援をすることが仕事であると考えていました。
職場にポジティブな影響を与えることが仕事であると考えている、といえます。
休日にボランティアをするなど特別な行動をとる必要はなく、日々の仕事の中でポジティブな影響を与えられないか。そのためにはどう行動すべきか、を考えることが第一歩といえます。
周りの人たちに目を向ける
周りの人にどれだけ目を向けているか考えたことがあるでしょうか。
私自身も心当たりのあることですが、例えばスマホを触っている間、放っておかれている子供。
人は見られることで自尊感情が高まります。つまり、放っておかれている子供にはその逆の作用が働きます。
南アフリカのナタール族の人々は自分たちは誰かが見るまで存在しないという感情を持つそうです。相手を見ることで存在させるわけです。
そのくらい目を向けるという意識と行動は他人に影響を与えます。
目を向けたことでその人が持つスキルなどを発見できれば、スキルを活かす場を提供したりと、相手の成功への手助けもできるようになります。
今すぐに行動を起こす
ポジティブな影響を与えることを優先的に意識して、周りの人に目を向け、手助けできる、助言できると思ったならあとは迷わず行動することです。
行動を起こすうえで障害になるのが既存のルールと文化です。
ルールを破ることを推奨するわけではないですが、そもそもルールは長い時間が経つことで作られた理由が忘れ去られていたり、前提となる環境が変わっていたりします。
また、著者も語っているようにハッキリした理由もない慣習にとらわれやすい日本的な文化も、変化を起こすのに障害になることが多いです。
ルールや文化についても疑問をもって、必要であれば破っていく行動力が必要です。もちろんその場合、正当な根拠を示すことも忘れずにしましょう。
誰もがしなかったことを、先陣を切って行動すれば批判を浴びることは間違いありません。
しかし、道を切り開いていく行動は、人に大きな刺激を与えるとともに、自身にも大きな達成感が得られます。
いつしか習慣となる
ポジティブな影響を周りに与える心構えと意識、そして行動について解説してきました。
もちろんはじめは意識してこれらの行動をする必要がありますが、実際に周りに影響を与えはじめ、周りがうまくいっているのを実感として受け止められるようになれば、自分自身も大きく変わり始めます。
周りの人がうまくいき始めると、自分が与えた影響を意識するようになります。
そしてさらに影響を与えるべく、自らが学び、気づきを得て、変わり続けます。すると人生がどんどん豊かになっていきます。
『これが周りをうまくいかせることで自分がうまくいく』ということです。
「他人のために」は色んな自己啓発本で語られているので再現性の高い成功への道すじなんでしょうね。
貧困に貧困は救えない。
身もふたもないタイトルになってしまいましたが、真実ですね。
なにも同じ状況にある者同士の助け合いをディスっているわけではありません。
同じ状況にある者には共感を覚え、身を寄せ合いたくなるのが人の心情だと思います。
苦しい状況下にある二人が互いの幸せを願って励ましあう小説が『貧しい人々』です。
1.「おじさん」と「女の子」の手紙のやり取り
2.貧乏人同士の助け合いは救いにならない
3.思いやる心は必ずしも相手のためにならない
"天才"ドストエフスキーの処女作『貧しい人々』
著 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
訳 安岡 治子
光文社 初版2010年4月20日
名前は知ってるけど、本は読んだことない。
ドストエフスキーについてそう語る人は多いと思います。
”天才”ドストエフスキーのデビュー作でありながら世間では大絶賛された中編小説で、第三者視点ではなく「往復書簡形式」という、簡単に言い換えれば”手紙のやり取り”の内容がそのまま小説となっています。
手紙の内容ですので、文字で表現してある分、心理描写なども捉えやすく、深く読める内容となっています。
「おじさん」と「病弱な少女」の文通
はっきり登場人物として認識できるのはたった2人です。
役所で働く貧しい下級役人のマカール・ジェーヴシキンと、貧しいうえに病弱な少女ワルワーラ・ドブロショロワ(愛称ワーレンカ)。
2人の間で手紙のやり取りが行われているわけですが、47歳ぐらいのマカールに対して、10代と思しき少女のワルワーラの関係は普通に考えれば謎ですね。
マカールの手紙には「私の天使」のような表現でワルワーラへの愛情を示す様子から、危険なおじさん臭がします。
しかしワルワーラもおじさんを慕い、体調などを心配する様子がよくわかるように、相思相愛であるといえます。
ただ、恋愛対象というよりは、とにかくお互いを助けて幸せになってほしいという慈愛の精神という感じです。
何故文通をしているのかは言及されていません。
しかも、中庭を隔てた向かいの建物に住んでいるような描写があるので会えない距離に住んでいるというわけではありませんし、「夕方のミサ」やお互いに本を届けたりと、割と会っている描写も見られます。
「貧しい人々」のタイトルの通り、ほぼ貧しい人しか登場しません。
登場といっても手紙の中のエピソードとしてですが、時代背景もあってか貧しいのレベルが違います。
ちょっと面白い部分として、マカールの靴がボロボロすぎて、底が取れてしまい、もはや何を履いているのかわからん的なことを言っているところがあります。
そして、お互いに、また手紙のエピソードに出てくる人物たちも、貧しい人々の間で助け合い励ましあいしているわけですが、正直誰も幸せになれていないお話です。
貧しい人が貧しい人に助けを求めたところで問題解決にはなりませんもんね。
まとめです
安岡治子さんの訳がすばらしいのか、とても読みやすい小説です。
ドストエフスキーの小説は長く内容が複雑で難しいという印象が強い、いわゆる「5大長編」を想像しますが、「貧しい人々」は300ページほどで、しかも難しい予備知識もいらず、本当に2人の手紙のやり取りなので読みやすいと言われています。
実際、苦も無く読めました。
マカールの願いは、
名前は知ってるけど、本は読んだことない。
そんなワルワーラが近くにいることがマカール自身の幸せであり、いつまでも幸せを感じて生きていたいという願望を、自分の身を削ってまで実現させようと必死に貧困の中でもがいているおじさんの姿は正直滑稽ながらも、愛する者のためにここまでするのかと感嘆させられる部分もあります。
ただ、表現の中で拗らせすぎて、もはや愛する人への言葉なのか疑問な部分もありますが…。
もしドストエフスキーの名前の前に二の足を踏んでいる人がいるなら、ぜひこの本を手に取って読んでみて、
名前は知ってるけど、本は読んだことない。