『債券』2つのリスク
金融商品の一つ『債券』は国や地方自治体、企業が投資家からお金を借りた時に発行する借用書のようなものです。投資先としては利回りは低いですがリスクも引くく、ポートフォリオの守備力を上げる金融商品の一つという印象です。しかし債券にもリスクはあります。そのリスクについてFP3級の範囲内で復習しておきます。
価格変動リスク
信用リスク
債券というのは先に書いた通り”借金の借用書”なわけです。したがって、お金が返してもらえるのなら安心ですが、当然貸し出した先が経営不振で元本や利息の支払いが遅延したり、最悪支払われない可能性もあります。これらを「デフォルトリスク」や「債務不履行リスク」と呼びます。
”デフォルト”という言葉はニュースなどで聞きます。少し前であればギリシャやイタリア、スペインなどがデフォルト危機だと大騒ぎしていた時期がありました。つまり財政破綻によって発行した国債が紙屑となり、国債を購入した、つまり国にお金を貸した人々は元本と受け取れるはずの利息が消え去るわけです。また近々では中国の不動産開発大手の「恒大集団」が世間をにぎわせています。期日ギリギリの利払いによりデフォルト回避、なんてニュースが毎月出ています。つまりここまで読んだ人は恒大集団のニュースを一つ深く読めますね。
信用リスクの目安「格付け」
信用リスクを図る目安として格付け機関が設定する債権の「格付け」があります。表記は「AAA(トリプルA)」などのアルファベットで、AAAが最も信用が高く(=リスクが低く、債券価格は高く、利回りが低く、)、Dへ向かって信用が低く(=リスクが高く、債券価格が安く、利回りが高く)なっていきます。「BBB」以上を投資適格債とし、「BB」以下をハイ・イールド債(ジャンク債)と呼ばれます。つまり危険な投資ですよ、ということです。
有名な格付け機関にはアメリカの「ムーディーズ」や「S&P(スタンダード&プアーズ)」があります。これら格付けと格付け機関がどんな機関か、どれほど信用できるのかはおすすめの映画がありますのでぜひどうぞ。
日本でいうところの”リーマン・ショック”の引き金となった投資銀行”リーマン・ブラザーズ”の破綻までを描いた作品です。専門用語が多く少し勉強もいりますがとても面白いです。サブプライローンとは、ジャンク債とは、格付け機関の格付けの信用度は、など金融リテラシーを高めてくれる映画でもあります。