利子も積もれば資産になる。利息について。
金融資産運用において重要な概念である「利子・利息」です。資産形成を図るうえで必ず考慮すべきことで、利子・利息そして「利回り」を知ることなく運用はできません。ここでは利子や利回りについてFP3級の範囲で復習します。
利子と利息
利子と利息は意味としては同じです。どちらも「借りたお金にかかる使用料のようなもので、「貸主」に支払われる」ものです。「受け取るのが利息」、「支払うのが利子」と慣用的に使い分けの定義はあるようです。つまり借りた側か貸した側か、立場によって呼び方が変わります。例えば私が他人にお金を借りた場合、私は”利子”を支払います。それは同時に貸してくれた人が”利息”を受け取ることと同義です。
以下、金融機関に対して預入者側の立場で書いていきますので、「利息」で統一します。
単利と複利
利息の支払われ方にも種類があり、その計算方法によって大きく2種類で分類できます。
単利
預け入れた”当初元本にのみ利息”が支払われます。
例えば100万円に単利で5%の利息が支払われ、3年間貸し出したとします。1年目の利息は5万円、2年目の利息も当初元本100万円に対する利息のみなので5万円、3年目も同じ、となり結果元本と利息含めて貸出期間の3年が終了した時点で115万円が返済されます。
単利の計算
単利の計算式は・・・
元利合計=当初元本×(1+年利率×年数)
預貯金の利子
一般の人が最もかかわりの深いであろう金融商品は”預貯金”です。預貯金と一緒にしていますが、銀行は預金、ゆうちょ銀行は貯金といいます。預貯金にも利息はちゃんと付きます。通帳をしっかり見ると”利子”として記載があると思います。微々たるもんですけどね。
普通預金と通常貯金
普通預金は利用してるけど通常貯金なんて聞いたことない、という人もいるでしょう。私もそうでした。銀行の普通預金にあたるものがゆうちょ銀行の通常貯金です。ゆうちょ銀行のほうも普通預金て呼んでましたね、私は。
定期性預金
定期預金として理解しているものです。一応預ける金額や期間によって分けられたいくつかの種類があります。”預金”なので銀行の商品です。
①スーパー定期
・固定金利です。ただ預ずける期間によってさらに分類があります。
・中途解約の場合は中途解約利率が適用になります。
Ⓐ預ける期間が3年未満であれば単利型のみ。
Ⓑ預ける期間が3年超であれば単利型と半年複利型の
選択が可能。ただし半年複利型は個人のみです。
②大口定期預金
・預ける金額は1,000万円以上で1円単位。
・固定金利で単利型のみ。
・中途解約には中途解約利率が適用となります。
定期性貯金
こちらは”貯金”なのでゆうちょ銀行などの話です。
①定額貯金
・固定金利で半年複利型です。
・預けている期間に応じた6段階の金利が預け入れ時に
さかのぼって適用。
・6か月以降は自由満期ですが、預けられるのは最長10年。
・6か月据え置けば中途解約にペナルティはなしです。
②定期貯金
・固定金利で預ける期間により
Ⓐ預ける期間が3年未満なら単利型のみ。
Ⓑ預ける期間が3年超であれば半年複利型のみ。
・中途解約には中途解約利率の適用があります。
預貯金のポイント
金利については大きく分けて、普通預金・通常貯金は変動金利、定期預金・定期貯金は固定金利と覚えておきます。利息支払いについては単利型なのか1年複利型なのか半年複利型なのか、または選択できるかできないかを抑えておきます。あとは、大口定期預金の預け入れ金額1,000万円以上や、定額貯金の預けられる期間が最長10年間などの数字、中途解約利率などのペナルティの有無を覚えておきましょう。
余談ですが、ゆうちょ銀行への預け入れは限度額があります。通常貯金1,300万円、定期性貯金1,300万円の合計2,600万円が預け入れ限度額になります。小金持ちは覚えておきましょう。預け入れ金額に関しては預金保険制度などの保護制度も頭に入れておきましょう。いつかお金持ちになったら考えたいことですね。